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Blog 社長ブログ

グーグルは知ではない?

2009年10月21日

知っているようで実はよく知らない。
私の中ではその代表的なものとしてグーグルがありました。
もちろん毎日検索で使っていてサービスそのものは知っていますが
ビジネスモデルの発端から構造、10年後に彼らが生み出す社会像は?
となると知りません。
そこで遅まきながら
「グーグル革命の衝撃 NHKスペシャル取材班著 新潮文庫」
を読みました。


自分がいかに“表層的”にしかグーグルを捉えていなかったか
と言う事にも衝撃を受けたのですが、今回は内容については
触れません。ご興味のある方は是非。


この本の中で、東京大学の小宮山宏総長が入学式の式辞で述べられた
お話しに感銘を受けたので、簡単にご紹介します。


小宮山総長は、グーグルによって、整理されていなかった断片的な情報が
瞬時で検索できるようになったことは革命的としながらも、
これらの大量の情報は「知」ではなく「ただの情報」であるとしています。
そして「学術的な疑いの直感」は、その人の頭の中でしか生まれないもので
様々な情報が、その人の「知」として関連付けられ、構造化されて
初めて意味のあるものとして働くものであると説かれています。


検索して得た結果を自分の知と勘違いするな、という事だと思います。


「最近は、インターネットを駆使して誰でも大量の情報を短時間のうちに
入手できるようになった。――中略―― インターネットで入手した、
構造化されていない大量の情報は、「思いつき」を生み出すかも知れないが、
「閃き」を生み出すことは極めて稀だ。頭の中に、いかに優れた知の構造を
作ることができるか、それが「常識を疑う確かな力」を獲得する鍵なのだ。」
文献:NHKスペシャル取材班 2009 『グーグル革命の衝撃』新潮文庫。

その為には、一見、非効率に見えるような地味な作業(自分の手足を使って
様々な情報を取ったり整理したりすること)が極めて重要なのだと。


グーグルの構想によれば、例えばある政治家がした発言に対して
彼の過去の発言ログをコンピュータが瞬時に解析して、その発言が
どのくらい信用できるのか?を数字ではじき出せるそうです。
これはこれで国民にとっては有難い「情報」ではありますが
それだけを「真実」と捉えてしまうと非常に危険です。
しかし、そのような社会は確実に来るでしょうね。


広告に関しても同様です。
近い将来、我々が普段使っているデバイスから簡単に必要な「広告情報」が
引き出せたり、推奨されるようになった時に、
その「広告情報」は“統計的”には正しいかもしれないけれども、
人間の持っている“センス”とか“感情”などの、数字で説明しきれない部分や、
まだ本人が気づいていない新しい価値観などを刺激したり、出会ったりすることは
“演出”出来ないはずです。
マーケティング調査においても“統計数字”だけではわからなかったけれども
“現場を見てみたら気がついた”と言う事がよくあります。

また、ある音楽や広告表現に出会った時に起きる、“感動”や“新しい自分を発見する驚き”
と言った事は、絶対にコンピュータで解析された「情報」には出来ません。


私は改めて、これからは、更に“クリエーティビテイ”の質と希少性、
そして“愚直なまでの現場主義”と言うものが
我々広告業界には求められると思うのです。


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