先日、シンガタの松田君の勧めで
『八つの日本の美意識』黒川雅之著、講談社刊
を読みました。
日本人の潜在的な美意識を、
八つのキーワードからひもといた面白い内容の本でした。
中でも特に日本人独特の「間」についての記述が、
我々広告の世界の人間にとっても
非常に示唆に富む内容だと思ったので引用します。
「長谷川等伯の「松林図屏風」は明らかに二つの絵で構成されています。
それぞれを切り離して二つの絵として額にしたっていいのです。
でも二つの絵を並べることによって、
大きなもう一つの絵になるという構造は見事です。
これこそ絵画における「間」にほかなりません。
西洋の絵で、このような構図は見たことがありません。
(中略)
この「間」こそ、絵師が描きたかったものなのです。
物を描くことを目指しているのではなく、
それによって生まれる「間」を描こうとしていたのです。
(中略)
この余白や「間」は、つくる側が準備した、受け手が参加する空間です。
受け手とは、小説では読者、絵画では鑑賞者、建築では生活者なのですが、
つくる側がすべてを描ききらず、受け手が参加できるように残しておくのです。
そもそもコミュニケーションとは非連続なものなのですが、
どんなに理解を望んでも、描き手、つくり手が語ろうとしたことを
そのままには受け止めてもらえません。
受け手は、自分の考えでそれを読み取るものだからです。
この日本の、「余白」や「間」は、
はじめから受け手が参加しやすいように準備された仕掛けだともいえます。
コミュニケーションの非連続という現代的テーマが、
この「余白」や「間」という形で積極的に仕組みとなっていたのです。」
→【画像】長谷川等伯「松林図屏風」:Googleでイメージ検索
かねてから、物事を「善vs悪」といった構造で語りたがる、
欧米型の思考に疑問を感じていた僕にとって、とても「腑に落ちる」内容でした。
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